お久しぶりです。書く書く詐欺のシャルです。
今回は私の周りに新たにレガシーMUDを始めた人が増えてきたので自戒も兼ねて基本的なことを書いていこうと思います。


・基本的な構築
やはりレガシーMUDの基本系と言うと細工師型でしょう。
複数のコンボキルパターンを持ち、凶悪なファッティでの点突破とソフトロックを内包したこの形が一番オーソドックスなMUDです。
あらゆるストンピィ系の元祖とも言えるMUDですが、純粋な派生として金属製の巨像型とスタックスが存在します。こちらはまた別の記事で紹介しようと思います。
参考になるかは分かりませんが、現在の私の使用レシピを置いておきます。


クリーチャー 17
金属細工師 4
磁石のゴーレム 4
カルドーサの鍛冶場主 3
ワームとぐろエンジン 3
歩行バリスタ 2
荒廃鋼の巨像 1

呪文 19
虚空の杯 4
厳かなモノリス 4
稲妻のすね当て 2
魔術遠眼鏡 2
三なる宝球 2
スランの発電機 2
威圧の杖 1
ニンの杖 1
不滅の太陽 1

土地 24
裏切り者の都 4
古えの墳墓 4
不毛の大地 4
魂の洞窟 4
ミシュラの工廠 3
カラカス 1
発明博覧会 1
ダークスティールの要塞 1
荒地 2

サイドボード 15
フェアリーの忌み者 3
精霊龍、ウギン 2
漸増爆弾 2
抵抗の宝球 3
歪める嘆き 2
世界のるつぼ 1
イシュ・サーの背骨 1
鋼のヘルカイト 1



少しグリデルや4cレオを強めに見てますが、比較的オーソドックスなMUDです。
ゴーレムやワムコによるビートダウン、チャリス三玉不毛によるソフトロック、威圧細工師のコンボ、カルドーサでのシルバーバレット、それらを難無く可能にするマナファクトを織り交ぜたマナベース、尖ったところは少ないですがあらゆる局面に対応出来る万能性を秘めてます。
このレシピを使って解説していこうと思います。


・強み
それは クリーチャーというにはあまりにも大きすぎた
大きく 分厚く 重く そして大雑把過ぎた
それは 正にファッティだった

1〜2回殴ればゲームを決めるだけの力を持つファッティをこのデッキは簡単に唱えることが出来ます。
それだけならリアニと大差ありませんが、このデッキは『唱える』と言う点がかなり重要になります。
他の呪文のサポートも要らず、魂の洞窟の恩恵を最大限に受けることが出来、無色故に色事故の心配も無く、エルドラージと違って部族縛りも無い上にサイズも大きいので当たり負けしない等良いことづくめです。
これらのファッティでの点突破はMUD最大の強みであり特徴と言えるでしょう。
次点で虚空の杯と三なる宝球の存在です。
レガシーにおけるこれらの置物の強力さは知らない人はいないでしょう。これらの置物だけでイージーウィン出来るマッチアップも数多く存在します。
これらに加えて不毛の大地まで採用出来るのが他のストンピィ系との明確な違いであり、MUDの強みです。
比較的不利の付く相手が少なく、どのデッキにも五分以上に立ち回れるのも強みと言えます。無色のフェアデッキと言えるでしょう。

・弱み
まず挙動が大振りなこと。コンボルートに進まない限りは基本的に毎ターン1アクションが限界なので1手ミスるとそのまま負ける可能性があること。
次にロングゲームが得意ではないということ。カード1枚1枚のパワーが高いのでトップデックは強い代わりに質を高める方法が限られ過ぎているのでニンの杖等のドローエンジンを置けない限りロングゲームに持ち込むのは悪手。決めれそうなゲームは速やかに決めましょう。
最後にマナ基盤を攻められると脆くなりやすいこと。マナファクトや細工師は優秀ですが割られやすく、特に細工師は殆ど『通れば勝ち』と言えるので除去される筆頭格です。手段としてならともかく依存するのは危険です。使い所を見極めましょう。



・キープ基準
このデッキの一番難しいところです。
基本的に土地2〜3、細工師orマナファクト、フィニッシャーetcがベストなハンドですが、これも先手後手でかなり変わってきます。

・先手キープ例
墳墓、都、魂の洞窟、虚空の杯、魔術遠眼鏡、磁石のゴーレム、カルドーサ
R1での100点満点のキープ例です。
先手は土地3、置物1、生物1を最低ラインとして考えておくとやりやすいです。
先手は置物の重要性がとても高いのでクリーチャーよりも置物優先でも構いません。
2マナランドが絡むとベストですが基本的にオールインするデッキではないので都の場合は2〜3t目に置けるハンドをキープしましょう。
細工師が絡む場合は最低でもファッティ1は欲しいですね。
マリガンする場合は生物の優先度を上げましょう。これは下手なロングゲームを防ぐためです。
先程オールインするデッキではないと言いましたが、R1でコンボパーツが揃っている場合は都1でスタートしても問題ないと考えているのでベルチャーのつもりでツッパしてもいいでしょう。

・後手キープ例
墳墓、魂の洞窟、荒地or城塞、不毛、モノリス、三なる宝球、ワームとぐろエンジンorカルドーサ
R1での90点キープ例です。
後手キープは相手のアーキタイプがハッキリ分かっていない場合100点満点は存在しないと思ってます。
後手の場合はどのデッキに対してもスピードアップしなければこのデッキの強みを押し付けれないのでマナファクトを中心にキープします。
後手の虚空の杯は強い場合と弱い場合がハッキリと別れるので相手次第で使い分けます。
2〜3tにワームとぐろエンジンかカルドーサが着地出来るハンドはAnTとTin-Fins以外どのアーキタイプ相手にも非常に優秀なのでそれらを優先させましょう。


・基本的な立ち回り
置物を信用し過ぎない。この一言に尽きます。
相手にとっては致命的なまでの拘束力を持つ置物はそのままゲームエンドまで持っていけることも少なくありませんが、それ故に割られやすく、打ち消し等と違って本当に止めたかった呪文と1:1交換すら出来ないということを留意しておきましょう。
置物はあくまでゲームメイク用の一手であり、フィニッシャーやエンドカードを通す為の布石です。ここさえ理解しておけばかなりやりやすくなるはずです。
各種ストンピィと同じく、主役はあくまでファッティです。


・サイドボーディング
メインボードでほぼ完成してるデッキなのでサイドボードは殆ど対策カードや微調整用のカードが多いです。
では各アーキタイプ毎に書いていきます。

・対奇跡
in 抵抗の宝球3、ウギン2
out ワームとぐろエンジン2、スランの発電機1、荒廃鋼の巨像1
以前はかなり有利な相手だったのですが、独楽が禁止になってからは相性が少し改善されてしまいました。
絶対にロングゲームに持ち込まれるので除去されるファッティを減らして置物で締め上げてからミシュランやゴーレムでのクロック合戦に持ち込みます。
不滅の太陽がジェイスとギデオンの両方を止めてくれるので非常に強力なのですが、ウギンとの不和があるのでどうしても気になる場合どちらかはいれなくてもいいでしょう。


・対グリデル
in 漸増爆弾2、ウギン2、鋼のヘルカイト1
out 荒廃鋼の巨像1、三なる宝球2、威圧の杖1、不滅の太陽1
コラコマとデルバーでの飛行クロックが特に脅威なのでそこを処理するカードを多めに入れます。
ワームとぐろエンジンorヘルカイトを通して殴れば勝ちなのでそこを狙います。

・対4cレオ
in 抵抗の宝球3、世界のるつぼ1、鋼のヘルカイト1、ウギン1
out 不滅の太陽1、荒廃鋼の巨像1、虚空の杯4
追加ドロー系を全部抜きたいところですが、それ以上に虚空の杯が役に立たないマッチアップなのでこちらを最優先で抜きます。
ウギンはどちらでもいいので追加の生物がいればそちらを優先しましょう。

・対ジャンド&BUG系
in ウギン2、漸増爆弾2、世界のるつぼ1
out 虚空の杯4、荒廃鋼の巨像1
こちらも虚空の杯が役に立たないマッチアップです。
最速ウギンが何よりも強く機能するマッチなのでそこを狙います。

・対リアニ系&ドレッジ系
in フェアリーの忌み者3、歪める嘆き2
out 不滅の太陽1、ニンの杖1、スランの発電機2、荒廃鋼の巨像1
墓地対策と釣竿対策を入れておけば基本的には万全です。
重めの置物を減らし、速やかなクロックでゲームエンドまで持っていきましょう。
青黒リアニの場合に限り荒廃鋼の巨像は抜きません。サイドからのSnTを通されてもそのまま勝てる可能性が高いからです。

・対SnT系
in 背骨1、抵抗の宝球3、歪める嘆き2
out 不滅の太陽1、ニンの杖1、ワームとぐろエンジン1、三なる宝球2or魔術遠眼鏡2
明確に不利な相手その1。
スニークショーの場合はスニークとグリセルのどちらも止める必要があるので遠眼鏡は残しますが、オムニには効かないので抜きます。
逆にオムニの場合は三なる宝球を残します。全知を置かれても止まるのでターンが返ってきます。
遠眼鏡を残す場合はワームとぐろエンジンを減らすといいでしょう。

・土地単&アグロローム
in 世界のるつぼ1、フェアリーの忌み者3、漸増爆弾2
out 虚空の杯4、三なる宝球2
明確に不利な相手その2。
正直そのままデッキを畳んで相手と肩組んでお酒でも飲みに行ったほうが精神衛生上よろしいです。
とはいえ拾える試合なら拾った方が良いに決まってるので解説を。
まず絶対的に墓地対策が必須です。ヘルムヴォイドをサイドに入れてる場合はベストなのですが、そうでない場合は可能な限り墓地対策を積みましょう。
るつぼはもう言わずもがな不毛対策です。魔術遠眼鏡で不毛宣言してもいいレベルですが、相手のタバナクルやchasmを突破する時に不毛を使う場合もあるのでタイミングは見極めましょう。
漸増爆弾は踏査やダイヤモンドを割る為に使います。
一番勝ちやすいルートは威圧細工師なので丁寧にゲームメイクしていきましょう。

・DnT、ブレード系
in ウギン2、歪める嘆き2、世界のるつぼ1、鋼のヘルカイト1
out 三なる宝球2、威圧の杖1、スランの発電機1、荒廃鋼の巨像1、(後手の場合のみ)虚空の杯4
先手後手で明確に有利不利が逆転する相手です。
先手なら虚空の杯が機能するのですが、後手の場合は抜いても構いません。
特にDnTに対しては霊気の薬瓶1枚でひっくり返されることも多いので置くタイミングは見極める必要があります。
石鍛冶は歪める嘆きで丁寧に処理すれば脅威にはならないので落ち着いて処理します。
石鍛治が機能し始めた場合はワームとぐろエンジンやヘルカイトで上から処理しましょう。

・AnT、Tin-Fins系、各種ストーム
in 抵抗の宝球3、歪める嘆き2、フェアリーの忌み者3
out 荒廃鋼の巨像1、不滅の太陽1、ニンの杖1、歩行バリスタ2、ワームとぐろエンジン2、スランの発電機1
比較的得意な相手です。
各種置物がぶっ刺さるので相手が嫌がることを積極的にやっていきましょう。
歪める嘆きは冥府の教示者や炎の中の過去等の『そこで止まると致命傷になる』ソーサリーに当てます。

各サイドボーディングはこんな感じでしょうか。
墓地対策とコンボを兼ねたヘルムヴォイドセットをサイドに積む場合もありますが、こちらは環境次第です。


・最後に
昨今ではpostやエルドラージに出番を奪われがちなMUDですが、それらと十二分に差別化出来ており尚且つそれらを上回る爆発力も秘めています。
レガシー全体で見てもちょくちょく入賞していたり、ほぼ毎エキスパンションで1枚以上実戦級のカードが増えています。
古くから存在し、今でも一定以上の存在感があり、尚且つ将来性も十分ある。
今後のレガシーで最も期待の持てるデッキだと思います。

それではまた。

コメント

nophoto
キクラゲ
2018年4月8日22:22

はじめまして。
細工師型MUDを使う者として、とても参考になりました!

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